「真の美しさとすこやかさ」をもたらすYON-KAな人々〜パーソナルスタイリスト 政近 準子さん③
日本初のパーソナルスタイリストとして多岐に渡りご活躍されている政近準子さんに、「スタイルがある人」のエッセンスについて聞きました。ファッションを越えたところまでも、多くの方からの相談が後を絶たないという多忙を極める政近さんですが、なぜ「自分というスタイル」をすこやかに保てているのか、その素顔に迫ります。
本当のスタイルがある素敵な人というのは
周囲をもしあわせにすることができるんです。
―― 「スタイルがある人」とは、どういう人でしょうか。
たとえば、今日このサロンに来るまでに、原宿のストリートを通ってきたんですが、田舎者も含めて変わった子が沢山いますよね。彼らは雑誌がこういっているとか、皆がきれいといっているからとかではなくて、自分にとって興味がある「カルチャー」が先にあるんですよね。そういうものがある人は、スタイルがある。それは若くてもそうですし、ある程度年齢を重ねると余計にそうなります。
誰の意志でもない、「自分が」素敵だと思うか、ですね。人によっては、それは音楽につながっているかもしれないし、料理につながっているかもしれないし、世界につながっているかもしれない。誰かが教えてくれるものでも、書いてあるものでもなくて、見つけなきゃいけないものなんです。ただ、その「スタイル」というのは、社会性を無視した自己満足的なファッションとは全く格も意味も違うものです。本当のスタイルがある素敵な人というのは、周囲をもしあわせにすることができるんです。
あとは育ちも大事。何を食べて、どういう風に暮らしてきたか、とか。スタイルがある人間や、ものを新しく考えられる人間というのは、大体が野山とかを駆け巡って蝶々とかを毎日追いかけて育った人間なんです。私はモード学園で28年間講師をやっていますが、トップクラスに名前が出てくる人は皆田舎者。夕日が沈むのを田んぼで見ていた人たち。そういう人は、小さいときから夕日がきれいだな、という価値観があるんです。
逆に、「何時に塾に行かなきゃいけない」とか、自分の意志ではないことをやるように育てられた人間なんて、創造性はゼロですよ。いかに小さいときから、自分の意志で物事を考えて生きてきているかということが、中年なったら余計出てきてしまいます。だから親に押し付けられて、やりたいことを自由にやってこなかった人は、スタイルがつくれないんです。
―― 大人になってから、スタイルをつくるのは難しいんでしょうか。
大人になってからでも大丈夫ですよ。実際に私がやっている学校では、大人がそういうことから学び直しています。例えば、「明日会社に行かなきゃいけないから、こういう時間の使い方をする」ではなくて、本当にやりたいことに寝ないでやったらどれだけエネルギーが出るのか、ということをやってみると、それがその人のスタイルになるわけです。
結構くだらないことにどれだけ時間を使ったかが大事だったりするんですよ。道草をどれだけしたかということが、スタイルがあるかどうかにつながっていたりします。やらされていることからスタイルなんか絶対に生まれない。自分がいいと思っていないことに時間を使っても、たいしたものは生まれないですからね。
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PROFILE:
パーソナルスタイリスト 政近 準子
パーソナルスタイリスト創始者 (有)ファッションレスキュー社長
パーソナルスタイリストプロ育成校 PSJ学院長
25歳でイタリアへ移住後、 【その人を輝かせる服を提案できるパーソナルスタイリング】 の必要性を提唱。
2001年、起業し、日本で初めて、タレントやモデルだけではなく 一般の方にもスタイリングをご提案。政治家 会社社長 管理職 起業家など、延べ1万人以上をスタイリング。テレビ、新聞、雑誌等への出演・掲載 多数。『素敵の法則』(集英社) 発売中